化粧品・医薬部外品向け原料 ラインナップ
CTP(コラーゲン・トリペプチド)
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商品特長
「コラーゲン・トリペプチド(CTP)」は、豚あるいは魚のコラーゲン、または高純度ゼラチンを原料とし、バイオリアクターを用いた加水分解反応で得られた生成物です。N末端がグリシンであり、コラーゲン特有のアミノ酸配列(Glycine-X-Y)を持っています。化粧品および医薬部外品などの外用剤をはじめとして、研究用試薬などさまざまな分野への応用が検討されています。【特許登録済】
特長・効果
- 皮膚浸透性が優れています
- コラーゲン産生を促進します
- ヒアルロン酸産生を促進します
- 保湿効果があります
コラーゲン・トリペプチド(CollagenTriPeptide:CTP)は、コラーゲン特有のアミノ酸配列“Gly-X-Y”のトリペプチドを含有するコラーゲン分解生成物です。
原料 | 製品名 | トリペプチド含量 | 平均分子量 |
---|---|---|---|
魚コラーゲン | コラーゲン・トリペプチド F | ≧25% | 1,000 |
コラーゲン・トリペプチド S | ≧25% | 1,000 | |
コラーゲン・トリペプチド F60 | ≧55% | 500 | |
豚コラーゲン | コラーゲン・トリペプチド M-30 | ≧25% | 1,000 |
分子量分布-1(Molecular weight)
コラーゲン・トリペプチド F、M-30共にHPLCにより、従来のコラーゲン・ペプチド(CP)には、ほとんど存在しないトリペプチドのピークが確認されています。両者(F、M-30)を比較するとトリペプチド以外のピークで若干の相違が認められますが、これは各々の由来原料のアミノ酸配列の相違に基づくものであると考えられます。
分子量分布-2(Molecular weight)
豚由来コラーゲンから製造したコラーゲン・トリペプチド Mシリーズには、トリペプチド含有量が25%以上のM-30に加え、更なる精製によりトリペプチド含有量を高めたF-60、Tp100(研究用試薬)があります。F-60、Tp100(研究用試薬)のトリペプチド含有量はそれぞれ55%以上、85%以上です。
アミノ酸組成(Amino acid)
アミノ酸 | CTP F | CTP S | 魚コラーゲン | CTP M-30 | 豚コラーゲン |
---|---|---|---|---|---|
Arg | 68.37 | 54.63 | 66.76 | 50.89 | 50.48 |
Lys | 27.41 | 27.06 | 26.67 | 27.4 | 27.3 |
His | 7.44 | 8.55 | 7.69 | 4.68 | 4.48 |
Phe | 14.27 | 11.67 | 14.75 | 13.37 | 13.12 |
Tyr | 1.37 | 0.50 | 1.95 | 2.09 | 3.08 |
Leu | 26.06 | 19.11 | 26.94 | 24.1 | 23.73 |
Ile | 21.57 | 9.26 | 22.3 | 9.24 | 9.12 |
Met | 15.8 | 9.96 | 16.33 | 5.73 | 6.19 |
Val | 24.15 | 13.48 | 24.97 | 23 | 24.44 |
Ala | 121.71 | 108.55 | 127.2 | 112.88 | 111.88 |
Gly | 329.74 | 370.72 | 308.43 | 338.85 | 332.7 |
Pro | 112.62 | 105.73 | 116.43 | 127.02 | 133.97 |
Glu | 76.91 | 76.66 | 77.86 | 71.51 | 73.25 |
Ser | 42.62 | 54.12 | 42.91 | 33.07 | 33.53 |
Thr | 22.76 | 21.93 | 23.53 | 17.18 | 16.95 |
Asp | 44.28 | 49.70 | 43.95 | 44.08 | 44.47 |
Trp | 0.68 | 0 | 0.1 | 0 | 0 |
Cys | 0.07 | 0 | 0.51 | 0 | 0 |
Hypro | 42.14 | 58.45 | 50.72 | 94.93 | 91.32 |
Total | 1000 | 1000 | 1000 | 1000 | 1000 |
規格(Specification)
原料 | 製品名 | トリペプチド含量 |
---|---|---|
魚コラーゲン | コラーゲン・トリペプチド F | ≧25% |
コラーゲン・トリペプチド S | ≧25% | |
コラーゲン・トリペプチド F60 | ≧55% | |
豚コラーゲン | コラーゲン・トリペプチド M-30 | ≧25% |
N末端アミノ酸(N-terminal Amino acid)
コラーゲン・トリペプチド F、M-30共にN末端アミノ酸の9割以上がGlyであることが確認されております。
アミノ酸 | CTP F | CTP M-30 |
---|---|---|
Arg | 0.4 | 0 |
Lys | 0 | 0.6 |
His | 0 | 0.6 |
Phe | 0.1 | 0.3 |
Tyr | 0 | 0.2 |
Leu | 0.7 | 0.2 |
Ile | 0.4 | 1.3 |
Met | 0.3 | 0 |
Val | 0.8 | 0 |
Ala | 1 | 1.2 |
Gly | 95.1 | 93.1 |
Pro | 0.3 | 0.4 |
Glu | 0.1 | 0 |
Ser | 0 | 0.1 |
Thr | 0 | 0 |
Asp | 0 | 1.5 |
Trp | 0 | 0 |
Cys | 0 | 0 |
Hypro | 0 | 0 |
Total | 100 | 100 |
皮膚浸透性(Skin permeability)
コラーゲン・トリペプチドの主要成分である“Glycine-Proline-Hydroxyproline(Gly-Pro-Hyp)”をトリチウム(3H)で標識し、ラット皮膚に塗布し、8時間後に皮膚を摘出してミクロオートラジオグラフィーを実施しました。その結果、トリチウムで標識された(3H標識Gly-Pro-Hyp)の分布を示す黒い粒子が、角質層(Sc)だけでなく表皮層(e)と真皮層(c)に検出されました。さらに、毛(h)および毛包(hf)にも検出され、Gly-Pro-Hypが真皮を含む皮膚の各層や毛まで浸透することが確認されました。
抗原性(Antigenicity)
モルモット抗ゼラチン抗血清を用いたELISA法によって、コラーゲン・トリペプチドの抗原性を他社製豚ゼラチンと比較しました。コラーゲン・トリペプチドは「抗原性」(反応原性)が認められないだけでなく、「免疫原性」も認められませんでした(補足2)。
コラーゲン産生促進作用(Collagen Production)
5%FCS-EagleMEM培地に0mMあるいは、0.001mM(sub-optimal dose)のアスコルビン酸(ASA)、及び0µg/mLあるいは 3.0µg/mL濃度のコラーゲン・トリペプチド(CTP)を添加した培養液でヒト正常皮膚線維芽細胞を3日間培養した後、それぞれの培養上清を採取し、培養上清中に分泌されたType Iコラーゲンをウサギ抗ヒトType Iコラーゲン抗血清を用いたELISA法によって測定しました。同時にdish中の細胞数をカウントすることにより試料の細胞生存率に及ぼす影響について検討しました。
その結果、a)CTP単独添加によって(無添加のコントロール群に対し)コラーゲン産生能が上昇する、b)0.001mM ASA単独添加によってコラーゲン産生が誘導される、c)CTPはASA添加によって誘導されたコラーゲン産生をさらに増強する、ことが明らかになりました。(この時、ASA、CTPの添加は細胞の増殖には影響を与えませんでした)
ヒアルロン酸産生促進作用(Hyaluronic acid production)
ヒト正常皮膚線維芽細胞を5%FCS-MEMで37℃、5%CO2にて3日間培養し、0.5% FCS-MEMに交換後、10μg/mLのコラーゲン・トリペプチド(CTP)を添加し、更に24時間培養後の培養上清中のヒアルロン酸量をELISA法にて測定しました。比較対照として、精製水およびヒアルロン酸産生促進効果を有することが知られているN-アセチルグルコサミン(N-Ace.Glu.)を最終濃度0.1mMとなるように添加して同様に測定を行いました。 その結果、CTPの添加により、対照として用いた精製水の約1.5倍、陽性対照であるN-Ace.Glu.と比較しても同等以上のヒアルロン酸産生が認められました。