皆さまからよくいただくご質問をQ&A形式でまとめて掲載しました。
よくある使い方 Q&A
- 【Q1】ゼリーがうまく固まらないのですが…
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ゼラチンはよく溶かしましたか?
熱めのお湯(80℃程度)に振り入れてください。ゼラチンを入れた後は、良くかき混ぜて溶かしましょう。ふやかしてお使いいただく場合は、使用するゼラチン量の3~5倍量の冷たい水に、約20分間ふやかしてから、温めた液体に入れて完全に溶かしてください。
溶かしたゼラチン液と材料を良く混ぜ合わせましたか?
ご使用になる材料が冷たい場合、ゼラチン液が冷えて途中でゼリー状になってしまうことがあります。
このような場合、もう一度40~50℃程度に温めて、なめらかな液体の状態にしてください。冷蔵庫でよく冷やしましたか?
ゼラチンゼリーは15~20℃で固まり始めます。おいしいと言われるゼリーの温度(8℃)になるまでには、家庭用冷蔵庫で約2~3時間かかります。この間はできるだけ冷蔵庫のドアの開閉をしないようにしましょう。また、冷やしてもゼリーが柔らかい、または固まらない場合、ゼラチンや材料の分量が守られているかを確認してください。
- 【Q2】生のパイナップルを使ったら、固まりませんでした。
生のパイナップル、パパイア、キウイフルーツ、メロンや生姜などは、ゼラチンを分解する酵素が含まれているため、固まらなくなります。
これらの材料をご使用になる場合は、あらかじめ短時間煮るか(必ず沸騰させる)、缶詰や瓶詰をお使いになってください。
- 【Q3】レモンやグレープフルーツ、梅の果汁を使用すると思うように固まりません。
レモンやグレープフルーツ、梅の果汁は非常に酸味が強いため、ゼリーを柔らかくしてしまいます。
これらをご使用になる場合は、果汁の使用量を少なくしてください。ご使用の目安は、全体量の20%以下です。
- 【Q4】ババロアやムースを作ると2層に分離してしまうのですが…
ゼリーと泡とに別れてしまう場合がありますが、ゼリー液の入った器を氷水などで冷やしながらとろみをつけ、その後、生クリームやメレンゲを混ぜ合わせることで解決できます。
また、ココアや抹茶などの固形分が、ゼリーカップの底に沈むのを防止する時も、ゼリー液にあらかじめとろみをつけると良いでしょう。
おしえて! ゼラチン・コラーゲン講座
- 【講座1】ゼラチンってなに?
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「煮こごり」もゼラチンの仕業。ユニークな性質を持つ動物性たんぱく質です。
「コラーゲン」という言葉を耳にしたことはありませんか。ゼラチンは脊椎動物の骨や皮などに多く含まれるコラーゲンから精製・抽出した無脂肪の動物性たんぱく質です。
煮魚をつくった時に、煮汁が冷えてゼリーのように固まった「煮こごり」を目にしますが、これも魚のコラーゲンが加熱によってゼラチンになり、煮汁に溶けだして固まったものなのです。すじ肉の煮込みやとんこつスープでも同じようなことが起こります。ゼラチンって、とっても身近な食材なんですね。
- 【講座2】ゼラチンはいつ頃から使われているの?
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起源は古代エジプト。5000年以上も人々の暮らしを支えてきました。
ゼラチンのルーツは、今から5000年以上前、古代エジプトの「にかわ」製造にあるといわれています。基本的な製法は、すでにこの時代に出来あがったとみられ、6世紀頃の中国の記録には、ほぼ完成された技法が残されています。
現在、日本で受け継がれている伝統的技法も約1500年前のものとほとんど変わりがありません。このように紀元前の昔から人々の暮らしとともにあり、21世紀のこんにちもその有用性を保っている素材は他に類を見ません。ゼラチン(にかわ)は長らく接着剤として使用されてきましたが、ヨーロッパでは19世紀初めから食用(ゼリー)に使われ始め、19世紀も後半になると写真乳剤として応用されるようになります。
その後、ゼラチンの研究開発も進み、さまざまな特性と使い勝手の良さを活かし「食用」「医薬用」「写真用」「工業用」と、たいへん幅広い分野で活用されています。
- 【講座3】ゼラチンはどうやって作られるの?
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徹底した衛生管理、各工程で注がれる厳しい目。すべては安全・安心のために。
ゼラチンは、原料の不純物除去から始まり、抽出後の十二分な精製、そして各工程における厳密な検査体制など、徹底した衛生管理のもと、製造が行われています。原料を「アルカリ」「酸」いずれで前処理するかによって、製造方法は大きく2つに分かれますが、抽出以降の工程は同じです。
- 【講座4】ゼラチンには、どんな栄養があるの?
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高タンパク質・低脂肪で消化吸収も良い!
ゼラチンは、コラーゲン由来のたんぱく質が約90%含まれ、脂肪は殆ど含まれていない高たんぱく質で低(無)脂肪な食品です。ゼラチンのたんぱく質は18種類のアミノ酸で構成され、トリプトファン以外の必須アミノ酸が全て含まれています。消化吸収が良く、小さなお子様からお年寄りまで大いに活用したい食品です。
- 【講座5】ゼラチンを使うと、どうしてゼリーができるの?
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温めれば液体に、冷やせばゼリーに。これがゼラチンの“あら!不思議”。
まずは、専門的なお話から。ゼラチンの基本構造をみると、約1000個のアミノ酸が細長い鎖状に並んでいます。
ゼラチンを熱い液体のなかで溶かすと、網目状の構造がこわれ、分子が自由に液体の中を動くようになります(この状態をゾルといいます)。次に、液体の温度を下げていくと、分子の運動は不活発になり、分子同士が引き合って、弾力性のある網目状の構造をつくります(これをゲルといいます)。
このように熱すると溶けて液体(ゾル)に、冷やすと固まってゼリー(ゲル)といった変化が、加熱-冷却によって繰り返されます。これがゼラチンの不思議であり、最大の特性なのです。
- 【講座6】ゼラチンはどのぐらい使われているの?
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ひんやり、ぷるるん。食用を中心に世界に広がる“ゼラチン・ファン”。
ゼラチンの世界全体の生産量は30万トン以上と言われています。地域別ではヨーロッパが全体の40%以上を占め、次いで北米、アジア、南米、その他の地域の順になっています。
日本でのゼラチンの年間販売量は、約1.7万トン。用途別では、食用64%、医薬用10%、写真5%、工業1%、輸出用20%となっています。一方、コラーゲンペプチドの国内年間販売量は、約5000トン。内訳は、食用92%、医薬用2%、工業1%、輸出用5% となっており、食用の割合が高くなっています(平成25年度・日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合資料より)。
- 【講座7】他のゼリー材料との違いは?
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それぞれの特徴を知って、上手に使い分けましょう。
ゼラチンのように、ゼリーをつくるための食材を「ゲル化剤」といいます。以下に、代表的なゲル化剤とその性質についてまとめてみました。
ゼラチン 寒天 カラギーナン ペクチン 原料 動物の骨・皮 紅藻類 紅藻類 柑橘類、果汁搾汁残物 主成分 たんぱく質 炭水化物 炭水化物 炭水化物 食感 口内で自然に溶けるので、なめらかな舌ざわり。弾力性、粘りがある。 口内温度で溶けない。かたい、弾力がない、砕けやすい。 ややかたいが、ゼラチンゼリーに近いなめらかさがある。 HM:かたくてなめらかさがない。
LM:ソフトで滑らか溶解温度 50~60℃
予め水で膨潤80℃以上
予め水に浸漬80℃以上 ~100℃
水の硬度による。ゲル化開始温度 18~20℃
濃度により異なる。30~40℃
濃度により異なる。30~60℃
可溶性固形分含量により上下する。30~85℃
種類、pH、糖度、その他条件により異なる。ゲル化完了まで 10℃以下の冷却が必要。8~18時間でほぼ安定。 常温で可。5~24時間でほぼ安定。 常温ですみやかにゲル化し、安定。 常温で可。 透明性 透明 白いくもりあり 透明 白いくもりあり 消化吸収 非常に良い されない されない されない
- 【講座8】どう違うの? ゼラチンとコラーゲン。
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違いは分子レベル。食品としては同じと考えてかまいません。
ちょっと難しいお話になりますが、コラーゲンの構造をミクロに見ると、らせん状の細長い分子が3本より合わさり、三つ編みのような形になっています。このコラーゲン分子に熱をかけると、3本の分子がはずれバラバラの状態になります。これがゼラチン。
コラーゲンとゼラチンは、分子レベルに違いがあるものの、食品として摂取する分には同じと考えてかまいません。最近、健康食品の分野でたいへんな注目を集めているコラーゲン。ゼラチンを食べて体のなかに摂り入れましょう。
- 【講座9】コラーゲンって?
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大注目!コラーゲンでつくられる、若々しく健やかなからだ。
コラーゲンは、動物の体内にもっとも多く含まれるたんぱく質です。人間は体重の約16%がたんぱく質といわれていますが、そのなかの20~40%がコラーゲンといわれています。
特に、皮膚の40%(皮膚組織の真皮⦅水分を除いた状態で⦆に70%)、骨の20%を占め、他に血管や内臓、目、脳などいたるところに分布しています。コラーゲンは、細胞と細胞、組織と組織をつなぐ接着剤のような役割を果たしており、体の若々しさと健康の維持に関係しています。
さらに最近では、細胞を増やしたり、傷口を早く治したりなどの生体活動にもコラーゲンが大きく関わっていることがわかってきました。
- 【講座10】コラーゲンは体のなかでどんな働きをするの?
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骨を強く、肌を美しく、高血圧を防ぐ… 美容と健康に大きな役割。
体の若々しさと健康づくりに役立つコラーゲン。具体的な働きとしては「関節痛を緩和し、円滑な動きをもたらす」「骨を強く、しなやかに保つ」「肌に張りを与え、潤いを保つ」「消化器官を保護する」「血圧の上昇を抑制する」などが挙げられます。
スポーツの分野では、関節などのケガの予防・治療促進に役立てる研究が進んでいます。高齢化社会を迎え、コラーゲンの重要性は、ますますクローズアップされることでしょう。
ゼラチンは皆さまの身近な"意外な"ところで活躍しております。
- お弁当やお惣菜で、液体のスープを固めるのに使われており、運搬時や店頭でこぼれたり、味や見た目が変わるのを防いでいます。温めると簡単に溶けてスープ状になるので、作りたてのように美味しく頂くことができます。
- レントゲン用のフィルムには、フィルムを黒く感光させる「感光剤」というものが塗られていますが、この感光剤をフィルムに均一に塗布するのにゼラチンが一役買っています。また、ゼラチンは良質なタンパク源となることから、栄養剤に含まれています。スポンジ状のゼラチンは、手術のときなどに血を止めるための「止血剤」として使われています。
- デザートにとろみをつけたり固めたりする「ゲル化剤」「増粘剤」「安定剤」などとして使用されています。また、あられやせんべいなどの表面にトッピングを付着させるための「結着剤」として使われています。
- お習字に使う固形墨は、すすをゼラチンの元である膠(にかわ)で練り固めて作られています。この膠は、物と物とを接着する力が強いので、ガムテープや接着剤に使われているほか、研磨紙に研磨剤を貼り付けるのにも使われています。
- ソーセージに使われているひき肉の結着を助けたり、水分が分離するのを防いだりすることで、お肉のジューシーさを保っています。
- お薬のカプセルや湿布薬に使用されているほか、様々なお薬で錠剤の形を整えたり吸収を助けたりするための「賦形剤」として使用されています。
- ビールやソフトドリンクなど、液体の食品サンプルを作成するのに使われています。
- 人工の皮革を作る際に素材にゼラチン粉末を加えることで、天然皮革のようなしっとりとした肌触りにすることができます。
- 醸造の際に、不純物(オリ)を沈殿させるのに使われています。
- フィルムや印画紙に感光剤をムラなく塗りつけるために使われています。
- 天然の保湿成分として、様々な化粧品に使われています。