
ゼラチンの医薬品利用の代表的なものとしては、ソフトおよびハードカプセルが挙げられます。これはゼラチン特有の物理的性質――たとえば人体に無害で消化吸収される動物性たくぱく質であり、ゾル−ゲル変化をし、乾燥すると強固な皮膜を形成する、さらには酸素や水分を透過しにくいなど――を活用したものです。近年では、充填した薬の放出速度を調節できるマイクロカプセル(例えば、通常胃で溶けるカプセルに、胃液への抵抗性をもたせ、腸で溶けるように加工)もあり、ドラッグ・デリバリー・システムに代表される、新しい薬の投与技術を担っています。日本においては、ソフト・ハードカプセル、加えてハップ剤へのゼラチンの使用量は多く、各々年間約1000トン以上消費されています。
医薬の領域でのゼラチンの活躍は目覚ましいものがあり、錠剤、丸剤、トローチ剤、乳剤、座薬、代用血漿、ゼラチンスポンジへと応用されています。また、患者向けにアミノ酸の補給源として利用したり(この場合、必須アミノ酸であるトリプトファンを添加)、ゼラチンの流動性や付着性などを活用して嚥下障害患者(食物がうまく飲み込めない、または気道に詰めてしまうおそれがある患者)のリハビリ食にしたりなどの、ユニークな試みもみられます。また、以前よりゼラチン由来の成分が盛んに使われてきた化粧品の分野においても、“加水分解コラーゲン”“水溶性コラーゲン”の登場により、効能のある化粧品基材原料として大きな役割を果たすようになっています。ゼライス開発の「コラーゲン・トリペプチド」は、従来の加水分解コラーゲンにはなかった優れた特徴・効果をもっており、美容業界からの熱い注目を集めています。
医薬用ゼラチンは、日本薬局方により、その純度が厳しく規定されています。当社は、医薬品製造業許可を得て、約半世紀の長きにわたり、日本薬局方ゼラチンを製造しています。また、先進のバイオテクノロジー技術を駆使し、低アレルギー性製剤用ゼラチン・非抗原性安定化剤「フリアラジン」を開発。医療の課題であったゼラチン・アレルギーの解決に、大きな足跡を印しています。
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